窯業系サイディングができるまで

窯業系サイディングは、次のような工程を経てつくられます。

① 調合

窯業系サイディングの製造工程はケーキやクッキーを作る方法と似ています。
所定の割合の原材料に水を加えてサイディングの素をつくる工程から始まります。サイディングの素はペースト状をしていて、これは一般にスラリーと呼ばれていますが、小麦粉、砂糖、卵などを水や牛乳で混ぜたお菓子の素を想像してみてください。


窯業系サイディングの主原料は、セメントです。
セメントを主原料とした建築材料の代表例には次のようなものがあります。
 モルタル:セメント+砂(細骨材)+(水)
 コンクリート:セメント+砂(細骨材)+砂利(粗骨材)+(水)
窯業系サイディングの場合、セメントに「繊維質原料」を加えます。その繊維の補強効果により、厚みが14~20mm程度の薄いボードでも曲げや引っ張りに抵抗する力が増すので、必要な強度が得られます。
また、砂や砂利以外の「混和材」を加えることで、一般のモルタルやコンクリートの比重の1/2以下と、軽量化を図るなどの工夫をしています。
窯業系サイディング:セメント質材料+繊維質原料+混和材+(水
*「繊維質原料」としてアスベスト(石綿)は使用しておりません。

② 成型

スラリーを、板状にして表面に柄をつけたりする工程で、お菓子の素をケーキ型に流し込んだり、クッキー型で 型抜きするのと同じです。
サイディングの主な成形方法には、
・抄造(しょうぞう)法 … 和紙や海苔製法のイーメージ
・鋳込(いこみ)法 … 型にご飯を入れておにぎりを作る
              イメージ
・押出(おしだし)法 … トコロテン突きのイメージ
などがあり、各社それぞれ独自の工夫をこらして成形を行っています。

③ 養生

「養生(ようじょう)」の工程では、原材料の混合物のスラリーがサイディングの基板へと変化します。
変化には化学反応が伴います。セメント成分が水と化学反応を起こして固まる反応を水和反応(すいわはんのう)といいます。養生中に熱や高圧力を加えることにより、この水和反応を促進させる方法などもあります。
養生の終了した基板は、その後「乾燥」させ余分な水分を飛ばします。
お菓子をオーブンで焼くことに似ています。

④ 切断

次に、基板を所定の寸法(長さ、幅)に切断し、製品によっては表面を削って模様をつけたりもします。
さらに、サイディングの端部をサイディング同士がうまく勘合(かんごう)する形状に加工を施したりもします。
勘合部の主な形状として、合いじゃくり(あいじゃくり)や本実(ほんざね)と呼ばれるものがあります。

⑤ 塗装

塗装はサイディングへのデコレーションですが、このデコレーションには大きく二つの役割があります。
1.デザイン性の向上
2.基板の保護
窯業系サイディングの9割弱の製品は工場で塗装を行っており、工場では様々な塗装技術を組み合わせて、現場塗装では困難な複雑なデザイン塗装を行うことができます。
さらに、塗料の塗布量や乾燥温度などの工程管理ができ、天候にも左右されないで安定した品質の塗膜性能を確保することができます。
ケーキも蜂蜜やジャムを塗ると見た目が良くて美味しくなるだけでなく、糖分には防腐効果もありますよね!

⑥ 検査

出来上がった製品は、品質規格にのっとり製品検査を行います。製品検査に合格した製品のみが、「商品」として出荷されることになります。
窯業系サイディングの品質規格は、日本工業規格 JIS A 5422 に定められています。

⑦ 包装

建築現場へ運べるように包装します。 地球環境への負荷を少しでも低減するため、最近はなるべく簡易な包装を心がけております。

⑧ リサイクル

建築現場で発生したサイディングの残材を製造工場へ戻し、原材料の一部としてリサイクルするなどの努力も行っています。